ライフスタイルの多様化で、新しいスタイルが注目されるような時代になっています。そうした注目されるライフスタイルの一つにベジタリアンを挙げることができるでしょう。例えば、大手レストランチェーンでベジタリアンに対応したメニューを発表して大きな話題になることがありました。
こうして注目を集めるベジタリアンですが、それに関連して「オリエンタルベジタリアン」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。それは従来のベジタリアンとは少し違ったものです。そこでこちらの記事では、そんなオリエンタルベジタリアンについて紹介したいと思います。
オリエンタルベジタリアン とは
オリエンタルベジタリアンとは何を意味するのでしょうか。オリエンタルは英語で「東洋風、東洋的」という意味になります。つまりオリエンタルベジタリアンとは「東洋のベジタリアン」という意味になります。これが意味するのは、台湾などにある「素食」のことです。それは「菜食主義」の略称で、つまりベジタリアンを意味しているのです。こうした「素食」のベジタリアンと、世界的に広がっているベジタリアンには違いがあります。そのため「素食」のベジタリアンを区別するためにオリエンタルベジタリアンと呼ぶことがあるのです。
台湾素食については、こちらの記事で紹介しています。
三厭
オリエンタルベジタリアンは宗教的な戒律から制限される食べ物をとることはありません。その中に三厭というものがあります。それが意味するのは3種類の「厭」で、空を飛ぶ「天厭」つまり鳥、地上に住む「地厭」つまり家畜などの動物、そして「水厭」つまり魚介類を食べることができないのです。
これは肉や魚を食べないことを意味しています。そして直接食べることだけでなく、間接的に食べることもできず、出汁や油などでも動物性のものを使うことができないのです。
(オリエンタルベジタリアンが東洋での菜食主義を指しているため、そこには卵や乳製品の取り扱いが定義されていません。ただし台湾での素食で最も厳格なものは、卵や乳製品を食べません。それに従うなら、卵や乳製品食べないことになります)
五葷
オリエンタルベジタリアンが食べられれないものは肉や魚だけではありません。三厭に加えて「五葷」も食べることができないのです。その「五葷」とはネギ科の野菜のことです。つまり「菜食主義」のベジタリアンであっても、一部の植物を食べられないのです。
そんな「五葷」とは、ネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウ、タマネギのことです。いずれも強い匂いを発し、精力がつくなど修行の妨げとなると考えられているため、食べられないものとなっているのです。
オリエンタルベジタリアンとベジタリアンとの違い
オリエンタルベジタリアンでは肉や魚だけでなく、ネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウ、タマネギを食べることができません。そのためベジタリアンと比較した際に、それらネギ科の野菜を食べられないことが違いになります。
またベジタリアンは環境保護や動物保護が理由となって選択されるライフスタイルですが、オリエンタルベジタリアンは、仏教や道教などの宗教的な理由から食べられないものが定められています。そのため宗教的な影響が反映されていることにも違いがあるのです。
オリエンタルベジタリアン
オリエンタルベジタリアンですが、簡単に言ってしまえば、台湾などで見られる「素食」に従った食のスタイルと言うことができるでしょう。そのため現在世界的に広がっているベジタリアンとは違いがあり、五葷と呼ばれる幾つかのネギ科の野菜を食べることができません。
もしオリエンタルベジタリアンのレストランに行くのであれば、従来のベジタリアンとは少し異なることを理解して、肉や魚だけでなく、五葷を食べられないことを覚えておくと良いでしょう。
その他の宗教的な食べ物制限については、こちらの記事で紹介しています。